飄々とした印象の、高校1年生の卓巳と、その周りの人々の群像劇。 それぞれの中編がラストへと続くいていく。 コミケで出会った主婦あけみと、欲望のままに体を重ねる卓巳。 16歳の性と迷える感情。 あけみは、みずからをデブで変態で不妊の主婦と自覚、姑の執拗な要求に、婦人科に通っている。 夫が出て行った後、助産院を開業し、自宅で赤ん坊を取り上げている、卓巳の母。 卓巳をいちずに想う、七菜、生まれ落ちた環境で必死に戦う同級生田岡。 魅力的な登場人物たち。 田岡くんのハナシ、『セイタカアワダチソウの空』は、特によかった。 生きていくことは、どうしようもなく、ふがいないことばかり。 でも、読後感はさわやか。 命の誕生、前向きな卓巳の母に、背中を押してもらえる。 この作品がデビュー作の著者。 これからが楽しみ。 映画化も決定しているみたい。
by chocoeri-books
| 2012-05-22 12:03
| 小説(女性作家)
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